どういえばいいのか、いえないな!

その瞬間に、ここで見たことや体験したことをみんな忘れてしまうのよ

語尾♡

〘音源をなるべく忠実に書き起こそうとしたとき、語尾に♡をつけないとどうしてもこのニュアンスは伝わんねぇ!っていう話し方をする人がいるという事実〙

 

 

 

 

11月7日に開催されたanan創刊50周年イベントである SHIBUYA SCRAMBLE FESTIVAL 2020  のステージに登場した安田章大さんと、写真家の岡田敦さん。

写真集の発売からこれまで、雑誌やテレビ、ラジオなど多岐にわたる媒体で写真集について語ってきたおふたりですが、揃って写真集『LIFE IS』(2020年9月24日発売)について公の場で対談したのはこれが初めてでした。

 

全身を黒でまとめたニュアンスお揃いみたいなコーディネートのシックなおふたりが、終始にこやかに柔らかな雰囲気をまとわせて話してくれた写真集制作のエピソードの一つひとつがあまりにも美しくて、文字として残したいという欲望を抑えることができませんでした。

 

自分のための記録として書き起こしてあるので、実際の話し方からは多少読み言葉として文字列を整えてあります。

また進行役のかたとの掛け合い部分はなるべく省略し、安田くんと岡田さんの言葉にのみ焦点をあてました。

おふたりの話し方があまりにも穏やかで、かつ真摯に響くので、そのトーンをなんとか写しとりたいという欲求と、文章として書くときに「-」や「…」を多用するのはどうなんだという自己基準の狭間でめちゃくちゃに揺れております。

最終的に、ここはどうしても「♡」をつけておかないと未来の自分から罵倒されるだろうと思える一点にのみ絵文字(?)を使いました。

 

だってそのときの安田くんが可愛すぎるんだ。これはもう、しょうがないんだ。

 

 

というわけで…

 

 

 

 

(登場)

【安田くん(以下 安)】よろしくお願いしまーす。

【岡田さん(以下 岡)】よろしくお願いします。

【安】(椅子をすすめられて)失礼します。もう(配信)やってるんですよね、今ね。長めの拍手をありがとうございます。

 

_ananにはどんな思い出がおありでしょうか?

【安】あのですね、うちの関ジャニ∞のメンバーの大倉と横山がですね、以前にちょっと露出多めの、あのーセクシーショット多めの表紙と中ページをやってたのを見て、えっと、ヤキモチを妬いた思い出があります。いつか僕にそんなオファーこないのかなって思い続けてまだ一回もきてないので(笑)来ないなー!と思いながら、ま、でもいずれ来るかなと…

_安田さん自身の思い出は?

【安】初めて表紙を関ジャニ∞として一緒にやらさしていただいた時に親にすぐ言いました。普通の雑誌とかもいろいろ表紙できるのも嬉しかったんですけど、アイドル誌から卒業し、大人な雑誌で表紙を飾るって珍しくて、自分の中で大きな階段のひとつだったのでヤッタ!と思いましたけどね。

_その時どうでした?

【安】僕の大人の芸能界の先輩から「ananの表紙やってるやん」って言われました。すっごい嬉しかったの記憶に残ってます。

_岡田さんはいかがでしょうか?

【岡】僕は去年の3月に安田さんと誌面で対談させていただいたのが初めてで、それがきっかけで色々発展して今日に至っているので、すごい、なんか…胸にくるものがあります。

_対談のきっかけは

【安】あの、ananで『色気の哲学書』っていう企画…コーナーをやっていただいてたんです、関ジャニ∞として。その中で僕がチーフマネージャーさんから会いたい方、トークしたい方っていうことを訊かれたときに、僕10年ちょっと前くらいから岡田さんに片想いをずっとしていたので、岡田さんと対談したいってことを言ったら岡田さんがちょうどその時スケジュールが空いていて、快諾してくださって引き受けてくださったことがきっかけですね。

_オファーがあった時はいかがでしたか?

【岡】いや、僕10年前から、その、僕の作品を好きだと言ってくれてて、多分その時にお礼の写真集を送った記憶があるんですよ。

【安】頂きました。

【岡】で、たぶん手紙を書いた記憶があって。

【安】ハイ。

【岡】何を書いたか覚えてないんですけど、いつか一緒にできたらいいねっていうようなことを書いた記憶があるので、その10年越しの約束を果たすというか、そういう感じでオファーを受けましたね。

【安】僕めっちゃ記憶に残っているのが「なんで僕の写真集を好きになったんですか?」って言われましたね。

(一同笑い)

_なんでだったんですか?

【安】いや、すごく「生きてる」というのがすごく伝わってくる写真だったんですよね。写真ってやっぱり静止画なんですけどそれが動画として捉えられる写真家さんだったので。五感を感じる写真といいますか、その現場の匂いが感じたり、~(録音が途切れて聴きとれず)ような感覚があったりとか、そういうのを感じさせてくれる写真家さんだったので、ということですね。

_そういった思いもあって今回写真集を作る、ということに至ったんでしょうか?

【安】そうですね。

【岡】そうですね。

【安】ananさんで対談させていただいた1カ月後にふたりで食事に行き、で、その時にお話ししたんですよね?

【岡】そうですね、その時になにか一緒に作ろうという話しをして、けっこう具体的にどういうものを、「今」「このふたりでじゃないと出来ないもの」とか、「ふたりだから作るべきもの」みたいな話をして、かれこれ企画書かき始め…

_その際に安田さんから岡田さんに希望があったという風に伺っているんですけれども

【安】その3つ。

【岡】まぁ、具体的にこの3つですということではなかったんですけど、沢山、こういうことをしたい、こういう表現をしたいっていう中で、僕の中で大事に残そうと思ったのが、まず闘病中の写真を発表したいということ、

【安】そうでしたね。

【岡】で、やっぱりその病気を経て命のことを伝えたい、で、アート本にしたいという、これが3つなかなか同じ本で表現するのが難しかったので、それはすごいハードルが高かったというか…難しかったところですね。

【安】…でしたね。だから岡田さんが撮ってくださった本編の写真がこっちに入ってて、こっちが闘病中の冊子になっているっていうことなんで、もう分かれている状態に仕上がったんですけど、ということですね。うん。

_これは撮影はどちらで行われたんでしょうか?

【岡】これは北海道の根室半島で撮影しています。僕が10年くらいもう根室に通っていまして、やっぱり命のことを表現するっていうのは非常に難しいことなんですよ。これまで芸術家に限らず小説家もミュージシャンも哲学者も様々な人が生きるとはなんだろうっていうことを考えながらも、しかし答えを出せてこなかったことを数日のロケで超えることができるのかっていうことを考えた時に、僕らが語れないことを代わりに語ってくれる風景とか歴史とかそういうものに頼ろう…頼らざるを得なかったので、そういう意味で根室という町は命のことを表現するのに非常にいい場所というか表現しやすい場所なので。だったらここで撮ることが一番安田くんが表現したいことが形にできるかなという感じで選びました。

【安】うん。

_安田さんは根室に行かれてみていかがでしたか?

【安】えーっとね、生命…そのどんどん生きていけば朽ち果てる時もありますし、そっからまた芽吹くこともありますし、そういう、こう、どんどんどんどん繰り返して、歴史がくり返されている中で命がつながっていってるっていうのは、僕は撮影しながらすごく実感しました。

やっぱりそれが土地がもっているエネルギーだったりとか、岡田さんがおっしゃったように過去の歴史があるから僕たち今あるし、今が僕たち一生懸命きっと生きてるから未来の子供たちになにかが繋げるんだろうしっていう風に思うので。それをこの根室の土地ですごく感じましたかね。

_今こちらにもお写真が何枚か…根室の景色ですかね?

【安】これ海氷ですね。海が凍っている状態、ですか?

【岡】そうですね、凍りかけて乗れるぐらいの状態です。

_乗れるんですね

【安】うん、でしたねー。

_(写真集が完成して)最初ご覧になった時いかがでしたか?

【安】うーーーーーん……

どんな風に人に届くのだろうな、と。思いました。やっぱり命のことを扱っているということだけあって、人それぞれ感じ方が違うと思うんですよね、なのでタイトルにも『LIFE IS』というタイトルを使っているんですけれども、岡田さんと本当に〆切り…正直言うと〆切りもう越えてますよって言われるまでギリギリまで考えつくして、タイトル案も何十個でました?

【岡】50以上出ましたね(笑)

【安】そうなんですよ(笑)出してだして出してだして…で、スタッフさんの中でも『LIFE』というタイトルが上がったりも、僕たちの中でもあったんですけど『LIFE』だと違う、『LIFE IS』だと…うーーーん、いいね!みたいな(笑)感じになって。で、そのあと『LIFE IS…』いわゆるドット、ドットみたいなのが付くことによってどうなんだろう、僕は付けたほうがいいんじゃないかという話をした時に岡田さんが『LIFE IS…』だと…

【岡】ちょっとやっぱり、こう、悩んでいるというか、読者にその「…」を託しているイメージがあったので、安田くんが命のことを表現するという上で覚悟のようなものがタイトルに顕れたほうがいいなと思ったので。

【安】だったら『LIFE IS』にしようか、という話で、ぜんぶ大文字でビシッと届けようか

_大文字というのは何故なんですか?

【安】大文字というのはなんでだろうかというところで言うと、僕の認識で言うとやっぱり人生というのはどうなっていくのか分からないということに俺は戸惑いがない、というメッセージを込めたつもりではいました。うん、ひとつひとつ丁寧に。

【岡】やっぱりこう、視覚的にみても覚悟が…

【安】うん、強いですね、

【岡】大文字の方が強いので、それをこう表紙であらわすことが中を読んでいく時に生きてくると思ったので、これはやっぱり小文字ではダメだったかなと。

_(『LIFE IS』の写真を映しながら)こちらは?

【安】こちらね、奇跡の雪ですね。

【岡】雪ですね。

_雪が降っている?

【安】ずっと降りつづいている状態ですね、数時間で…そのちょっと前まで降ってなかって。で、降りはじめて。予報でも降らないとされていた雪だったんですけれども、これがここまで積もってくれたんですよね。

【岡】そうですね、ここは本当は夏は霧が濃い場所で、ほんとに神話の中を歩いてるような雰囲気で。この日は霧ではなくて雪がほんとにきれいに降ってくれて、まぁ、なんかここまでいい感じに降ってくれたのは初めてでしたね。

【安】現場に行って、この写真、岡田さんがここを見た時に「安田くん、ここひとりでずーーーぅっと向こうまで歩いてもらっていい?」って言われて。「あぁ、もちろんです」って言って。なのでこういう風に足跡が一切残ってない中をひとりで、こう、歩いていく。だから『LIFE IS』っていうテーマの中にすごく意味も含まれて合っていると思うし、これからどういう風に歩んでいくか人生わからないことばかりじゃないですか、なので、その中でそれでもいろんなことを葛藤…いろんな思いをしながら良いこともあれば悪いこともあったりする中で、ひとりでも歩んでいく力を皆みなさん持っているんだよっていうことも届いてほしかったりもしたし。

【岡】これは結構この写真集の中で大事な写真で。写真って不思議なもので、被写体との距離が近いほどその人の心を写せる、っていうわけでは実はなくて。その物理的な距離によって精神的な距離を縮められるものではないので、安田くんのなんていうか佇まいというか、この世界に生きている安田くんの命の美しさのようなものを捉えたかったので。それが何ていうんですかね…人が生きていくことの肯定をすることであったり、命を肯定することに僕はなると思ったので。

安田くん自身も自分の経験したことを人のために伝えたい

【安】うん。

【岡】…とか、託したい、ということがあったので。なにかそういう意味では安田くんの姿を美しく撮ることが誰かの背中を押すことだと思って。

だからそういう思いでこれは撮りました。

_神秘的で、でも力が湧いてくる感じもあって…。

【安】はい、ありがとうございます。僕だってレアな意見です、岡田さんから聴くの。別に撮り手の気持ちと撮られてる側の気持ちってやっぱり常に交配はしつづけて撮っているわけではないので…シンパシーとして感じあって撮影をしている状況下ですね。

だから次のこの写真とかもそうですね。

これは岡田さんが現地でね、場所をいろいろと考える中で防空壕を選んでくださって。それでえっと、空気孔っていうんですか?

【岡】天井に30センチ四方ぐらいの空気孔があって、そこからその、スポットライトのように光が入ってて…

_自然光が入っててということですね。

【安】太陽…だから12時、テッペンをつかって撮った写真ですね。

_じゃあそれは時間をしっかり狙って?

【岡】そうですね、どうしてもこの光で安田くんを撮りたくて。まぁ東京でもスタジオで撮れるといえば撮れはするんですけど、やっぱりこの防空壕の中の、こう、空気とかピリッとした感じとか匂いとかってパソコンでいくらイジッても写らないんですよね、

【安】写らないですよね…

【岡】だからそれをこの場で撮らなきゃというのと、安田くんが病気をしたっていうのはあくまでも個人的なことなので、そういった経験を個人の話として語るよりも、もうちょっと歴史的な要素も含めることによって、命のことを表現するのを多面的にできるので、そういう意味の、この場所の力を借りるというか、

【安】そうですね、ひとりで語りきることは出来ないですもんね。

【岡】なので僕らが語れないことを代わりに語ってくれる場所として、ここが必要だったのかな、という。

【安】個人的にもですけど、独りでね、この暗い…これフラッシュも焚いていないので真っ暗な中で撮ってて、サイレントにしてるんで撮ってるタイミングも判らないんですよ。なのでここで、静かに僕ここの空気を吸ったり、ここの感覚を味わってると自分の中の自分が、色んな人が入れ替わるんですよ。だから表情がぜんぶ違うんですよ、岡田さんが言うんですけど。その時感じる感覚っていうのが大きく毎回変わっていく。時間とともに。で、自分の表情が変わっているのが写真を見て自分で気づいて「こんな顔してたん、俺?」っていう話はしてました。

っていう感じでしたね、この写真。

【岡】いや、これはもう、僕が見ても違う人が写ってるみたいなものが沢山あって。たぶん載せたらファンの方も気づかないぐらい…

【安】なのでこれがもしかしたらその土地がもっている歴史だったり、その土地のもっている力なのかもしれません。

_表情のちがう写真は写真集には何枚かはあるんですか?

【安】6枚…全部で6~7枚ですかね

_続いてこちらは?

【安】北海道のお馬さんですね。

【岡】これは道産子。

【安】道産子という種類。初めて、この写真集の中では唯一じゃないですか?動物と…いろんな命がありますけど、動物というカテゴリーの中での命と触れあっている写真というのであれば。…ですよね?

【岡】そうです。笑顔の写真集ってアイドル写真集ではよくあるんですけど、なんていうか、カメラにむかって笑ってる笑顔っていうのはこの作品に関しては必要ないだろうなと僕は思っていて、そういう意味での笑顔ではない笑顔というものを描きたかったんですよね。なのでどちらかというと、生きていくために必要な笑顔としてこの本の中に在ることが一番意味があると思ったので、それを撮るために生き物と触れてる姿がいいかなと思って。

【安】僕はもう、その現場で写真撮ってもらってる時に、ここに触れてる時にめっちゃ感じましたね。この生き物の生きてる温度とか、常に鳴りつづけてるけど僕たち普段聴こえていない心臓の音とかっていうのが僕の中で自然と、笑いきってはいないんでしょうけど口角が上がるっていうんですか?温もりに触れるってやっぱり…あぁこういうことが生きてるって感じるんだなぁって。命の尊さ、温かみとか美しさ、儚さってこういう時に感じんねんなぁって、すごく感じました。

【岡】良い表情だよね

【安】アッハッハッハ!めっちゃ褒めてくれたやん!ふたりで褒め合ってるってアカンやん!アカンことないか!いや…ありがとう ♡

_この時もそこにお馬さんがいたから、という感じですか?

【岡】これは牧場の方の馬なんですけど、普通に安田くんと触れあってて、

【安】そう、野生馬…まぁフリーの状態なので動き回るので、結局はたまたまこれが撮れたんですよね、ラッキーなことに。

_人間らしさというか、すごく伝わってきます。

【安】僕たちもね、人ですけど僕たちも同じ動物なので、うん、なんかそこの垣根を超えられた写真になれたのかなぁという風には思いましたね、はい。

_続いてはこちらですね。

【安】来た…。これ羽織ってるの熊の毛皮なんですよ。ね?

【岡】熊ですね。

【安】熊です。で、実際この撮っている森の中にも野生の熊だっていたりしますよね?

【岡】ここも居ますね。

【安】はい、なので、僕はもう岡田さんと写真撮ってるとき、岡田さんにカメラ向けられてるときは「殺られる」と思って撮ってるんですね、

【岡】(笑)

【安】撮られてるんです。僕は「殺ってやるぞ」って気持ちで撮ってるんで、これはもう熊の毛皮羽織ったとき、僕はもう確実に熊の気持ちになってました、本当に。だからこういう表情になってるんです。

_今までの写真とはまた全然表情が違いますね。

【岡】そうですね。これ、意図としてはこの森が三千年ぐらいで出来た森なので、そういった人間の寿命と違う時間軸の中で写真を撮りたかったのと、命を語る時に人間の命だけで語るのも小さな話になるので、人間に食べられるとか、服を着られるとか、そういう人間の命をつなぐものの動物のなにかを借りて撮影しようと思ったんですけど、まぁほんとに熊になりきってたので…

【安】うーん、不思議でした。やっぱりでもねぇ、熊の毛皮を纏うことによって人間の感覚じゃなくなるんですよ。耳の研ぎ澄まし方とか、自分がこの森で生きていくためにはどうしたら生きていけるのかという神経に変わったし、うん、人が入ってくることによって熊というのは本当に敵として見做してんねんな、という本能的感覚っていうんですかね、っていう風なところもビシビシきたし。

_そういった感じがやはりカメラ越しからも伝わってきましたか?

【岡】いやもう成りきってしまっているので、本当になんて言うんですかね、アイドルを撮っているという感覚は全くなかったですね。

_どんな感覚でした?

【岡】んーーー、やっぱり生き物。…です。

【安】そっかぁ、一番うれしいわぁ。

【岡】(笑)

【安】アイドルとして存在してなかったっていう時、の言われ方が。普段のお仕事はね、アイドルというお仕事をしてますけど、こういう風な命を扱うような、人生を扱うような写真集の写真を撮ってる時にちゃんと「生き物」としてそこに存在できた、というのはうれしいかな、うん。

_では続いてのお写真いきましょう。こちらは何でしょうか?

【岡】まぁ、これはあのぅ、うーん、どこまで説明しようかな。んーー、まぁ、周りのは、あの…鹿の角が燃えていて…

【安】現地ですよね。

【岡】現地で集めたもので、

【安】現地の命ですよね。

【岡】まぁ、一応命のことを表現しようと思ってやって、ただ僕の中では全く死をイメージしたものではなくて、

【安】僕もです。

【岡】むしろこの、よく見ると安田くんの身体が寒さに負けないようにすごい力が入っていたり、口のまわりから出てる息が白くなってたり、そういう意味では生に対して、こう、生きようっていうエネルギーがすごい身体から出てるのが、僕はそう感じたので。だからあまり…あの、悲しい写真と思われる人がいるかもしれないですけど、僕の中では視覚だけ見てそうではなくて、もっと先を見てくれたらきっと安田くんの中の生への希求みたいなものが感じてもらえるかなとは思ってます。

【安】已まない滾る命の、なんかこう勢いっていうことかな、僕も。生きていくうえで大切なことですからね。必ずどっかで迷ったりとかした時に、燃えてたはずの、燃えさかっていたはずの息吹とかエネルギーってどっかで一回立ち止まっちゃうことによって、ふと消えちゃう瞬間って必ず人ってあると思うので。そういう意味で言うと前に進んでいくという、岡田さんとおなじ、同意見ですかね、僕も撮られてる時。

極寒!!でしたけどね。

_これは足元の方が裸足ですよね?

【安】はい、何も、あの、下半身とかもその…まぁ何も履いてない状態、ホンマにこのコートみたいのを纏っている状態って感じでしたね。

【岡】着てなかったですね。

【安】でもそれだけやっぱり、人って生きていくうえで、うん、エネルギーが必要だと思うのでね。

【岡】寒いからカイロ貼ったらいいよとか言っても聞かないんですよ。(笑)

【安】(笑)

【岡】やっぱりその寒さの中で出る表情を撮ってほしい…

【安】そうなんです。嘘、がイヤなんです。そういう意味で言うと。バレる…岡田さんもずっとおっしゃってたんですけど嘘をひとつでも乗せることによってバレてしまうから、それは命のことを扱っちゃだめだと思うってことをお互い思いあってた部分があったので。はい。こういう形に至りました。

_表紙の写真を選ぶのは結構大変じゃないかなと思うんですけど?

【岡】あぁ、まぁそうですね。でも一番この表情を…見た人によっていろんな読み方ができる表情だと思ったので。あんまり判りやすく喜んでるとか泣いてるとか、そういうことではない方がいいかなとは思ってました。

【安】不思議な顔してますね、なんか、なんとも言えない…

_でもその感じがすごい良いなと思いますね。

【安】ありがとうございます。

_最後に配信をご覧になっている方へのメッセージを。

【岡】遅い時間までありがとうございます。写真集ご覧になってない方は多分話の内容が分からなかったと思うので、この写真集、アイドル写真集ではない、アート好きの方とかも是非見てほしい思ってますし、なにかこう、生きることとか考える時にもヒントになるものがあると思うので、ぜひ安田くんの姿を見てください。

【安】僕、あの…脳腫瘍という病気を患い、経験させていただいた経験値を、やはりこうやって今生かさせていただいているので、多くの方になるだけ力を届けて、自分で、ひとりで生きていくのは大変だと思いますし、立ち止まることも多いと思うので、なにか僕の力を届けて次に繋げられたらなという思いで岡田さんと制作させていただいた次第です。あの…生きてくうえで、えーっと…バイブル本といいますか、支えになれたらなと思っています。

_ありがとうございます。

【安】ありがとうございました。

【岡】ありがとうございます。