『LIFE IS』 にまつわるあれこれ ~好きがあふれる編~
写真集を見終えて率直にいうと、わたしは彼が届けたいと願った「この写真集を必要とするひと」ではないかもしれない。
さいわいにも今、なにかの答えを探し求めて苦しんでいるわけではないから。
逆に、安田くんのアーティスティックな世界観にこれから先の未来でもしかしたらまた触れられる機会があるかもしれない、生きよう、とおもったほどに欲深かった。
そういう意味では私自身の生命力を感じたから、ある意味正解かもしれない。
彼の涙が私自身の痛みのありかを教えてくれたし、それが死の存在ではなかったことに単純に安堵した。
わたしはわたしを生きていて、今はしぶとくてちょっとやそっとじゃ折れそうにないんだけど、それでもこの作品に出会えてよかったと深く思う。
この先なにかに迷うことがあったら、きっとここが基点になるから。
みずから企画し、この写真集の実現に漕ぎつけたこと、写真家の岡田敦さんとの縁のつなぎ方、発売日前後のプロモーションのスタンス、どれにも一貫して安田くんの目指す生き方がにじみでていて心底痺れた。
反発や批判的な反応があるだろうことすら排除せず、あくまでも屈託なく、あけすけで、芯の太さを感じさせる笑顔がまぶしかった。
なんどもその度に好きを更新した。
自分自身との向き合いかた、家族やまわりにいる大切な人たちへの深い愛情、思いやり、こころくばり、仕事との距離の図りかた、自然への共感、伝えようとして選ぶ言葉のどれにも好きがあふれた。
人って会ったこともない、一方的に見聞きしているだけの人を果たしてこんなにも好きになれるものなのかなって自分を疑うこともやぶさかではなかった。
それであらためて手元に集まった雑誌のインタビュー記事を掘りかえしてみるんだけど、読んでもよんでもやっぱり好きしか出てこない。
音楽にかんして素直に楽しいという気持ちが前面に出ているのが見ていてしあわせだし、楽曲制作に関して一歩ふみ込んだことや打ち込みの機材を使いこなすために揃え始めたこと、自分の中にあるビジョンをひとつずつ形にしていっていることが未来を感じさせてくれて、好きしかない。
あとこれは周知の事実なので書くのもはばかられるけど、雑誌のお写真がすべからく良い。なんにしろ見目麗しい。好きだ。いちいち言うまでもない、分かってるって怒声がとんでもいいくらい自明のことだけれど、見るたびにハッとする。
安田くんは美しい。
幻想的なアーモンドアイも、虹がかかる二重幅も、神秘的な涙袋も、神々しい鼻筋も、流麗な口角も、えも言われぬ下唇と顎のあいだの窪みも(あそこの名称ってなに?神々の休息所?)、顎のラインの崇高美も、乙なホクロも、風雅なおでこも、異次元につながっているみたいなピアスホールも、艶な首筋も、絢爛な肩幅も、何億回も語られつくしたであろう賞賛と同じ軌跡をたどることを許してほしいし、もうこれ以上は書かないけど書かなくても無限にあらゆる細部にわたって賛辞を惜しまない勢いをサッと流してほしい。安田くんは美しい。
そしてここに至って、『LIFE IS』では彼の美しさを美しさとしてとらえるより前にひとつの存在の在りようとして受けとめていたことに思い至り、この写真集のすさまじさをあらためて知るのだ。
岡田さんも、安田くんも、中島さんも、制作にかかわったすべての方がつくりだした白日夢への扉。
ページを繰るだけで、わたしはまだ見たことのない地平に旅に出る。
誕生日の直前「ボク。」にアップしてくれたボイスメッセージのなかで「連れてくからね、いろんな境地に」と言っていたその一言が忘れられなくて、なぜかというともう既に安田くんが好きだとおもったいちばん最初の瞬間から、わたしはずっとこれまで見たことのなかった景色を見せてきてもらっていたから。
それは単にわたしがもの知らずだっただけだと思ってた。
これまでジャニーズのアイドルを推したことがなかったから。
なんていうおそるべき鈍感。
激重承知でいえば、きっとそうじゃなくて、これは安田くんがこれまでアイドルとして積み重ねてきた経験や努力や歓喜や葛藤や苦悩や煌めきすべてが連れてきてくれた経験なんだとおもう。
知らなかった時間ぜんぶがいまわたしをここに連れてきてくれた。
めちゃくちゃ運命論語りだしたくない?ヤバい。書いていると不意に訪れる陶酔言語。でもあと少しだからこのまま行く。
だからたとえ安田くんが誹謗中傷や反対意見を覚悟していたとしても、もしも悪辣な言葉が聞こえてきたらわたしはもっと大きな声で大好きだって叫ぶ。
筋肉痛がキライすぎて運動しないって公言しているけど、そのためになら筋トレしたっていい。
あなたに芸術をさせないものを、
あなたの芸術のテーマにするんだ。
(中略)
あなたから生をうばうものを、
あなたの生のなかみにしよう。
という一節がある。
このあいだ読むともなしに本を弄っていてこの一節を目にしたとき、ブワッと強烈に安田くんの顔がうかんだ。
安田くんはこれからどんなふうに光を変えるんだろう。
見逃したくない。